試験会場銃撃事件 女テロリストの暗躍

私のクラスメートの’えば’は持ち前のバイタリティーと訳のわからない英語で、自ら招くピンチをズッコケながらばりばり乗り越えていく台湾人留学生です。はっきり言ってえばは英語が苦手です。でも彼女にはバイタリティーがあるので大丈夫。少なくとも本人はへっちゃらです。

彼女はティーチング・アシスタントをしていて、担当する授業の試験監督も彼女の仕事です。ある時彼女が担当している授業で試験があり、その前日に彼女が試験の準備で忙しそうにしていました。試験当日の朝彼女は私のオフィスに入ってくるなり「今から学生を撃ちに行くから手伝ってほしい」と言いました。(撃つと言うのに'shoot'という単語を使っていた)「撃つのか?」と確認すると「そう、撃つんだ」と言っていました。

ぼくの頭の中では、試験会場の教室に入るなりバッグから拳銃を取り出し女スパイさながらに撃ちまくる彼女の映像が浮かんできました。騒然となる教室、床に伏せる者、悲鳴を上げて逃げ出す者…。とうとう彼女は忙しさに耐えられなくなり、やけっぱちになったのか?それとも実は彼女は台湾から派遣された特殊工作員だったのか?

今になって思い当たるのは、えばがいつも中国語のウエブサイトを熱心に読んでいたことと、さまざまな台湾人と中国人の留学生がえばのオフィスに訪ねて来て長い時間中国語でしゃべっていたのを何度も目撃したことです。盛んに中国語のメールのやり取りもしていました。遅まきながら私はえばが特殊工作員だったということに気がつきました。インターネットを使ったり、中国語でしゃべったりしてスパイ活動をしていたに違いありません。(単に英語が苦手だから中国語に固執していただけなんじゃないの?)

 

言っていることはよくわからなかったけれど、危なそうではなかったし、おもしろそうなので試験会場についていきました。教室に入ると彼女はバッグから、拳銃ではなくテストの問題用紙を取り出し、学生達に配っていました。

後で「おまえさんが撃つといっていたから、拳銃で学生を撃つのだと思った」と、もう一度何が言いたかったのか確認したら、「Sheetの言い間違いだ」と言っていました。試験用紙を配ると言いたいらしいのだけれど、それでも意味が通じてないよ。もうちょっとがんばって英語を勉強しようね。

 

ニューヨーク スカイライン(2002年12月9日)

A TERRORIST

NEW YORK SKYLINE

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